第1回臨時会の連合審査会質疑


5月24日に、選挙後初めての、補正予算に対する連合審査が行われました。前日に、共産党区議団を排除した委員長・副委員長体制を、自民・公明・民主、1人の会派の裏取引で決められました。このことを批判して、区議団の立場について、意見表明をしています。今回の選挙で、防災対策が大きな関心事になりました。そこで、防災計画の見直しについて(家具 転倒防止金具、火災警報器補助を含む)、3つのゼロで、特に保育園・特養の待機児、待機者対策、国民健康保険料値上げの専決処分について、を質問しました。質問に対する答弁も、載せてありますのでご覧ください。

  共産、質疑願います。

○金子委員 日本共産党大田区議団を代表して、質疑を行います。

  はじめに、昨日の改選後、初めて開かれる今後4年間の議会の出発点となる常任特別委員会の正副委員長の互選が、区民に選ばれた区議会が区民の声を反映した議員数に応じた役職配分を進めるべきであったにもかかわらず、自民・公明・民主・犬伏議員の密室の協議による議会約束の独占となったことは、議会制民主主義を踏みにじる議会の自殺行為と言わなければなりません。

  日本共産党大田区議団は、正副委員長の互選の方法ではなく、その前提となる各会派の事前の合意をつくることが必要であることを主張し、議会の正常化を求めました。今期17期ですが、15期までの60年間は各会派の話し合いで、議員数に応じて役職を配分してきました。しかし、前期16期の4年間は、日本共産党区議団の再三の申し入れにもかかわらず、事前の合意が行われず、不正常な議会となっていました。こんな議会は東京23区をはじめ、全国にもありません。そもそも区議会は、区民の多様な声を区政に届けることに大きな役割があります。立場や意見の違う会派を排除することは、区民の多様な声を封じて結局は区民の利益を損なうことになります。日本共産党区議団は、区民に選ばれた区議会が区民の声を反映した議員数に応じた役職配分を進めるため、今後も区民の皆さんや少数会派の皆さんとも協力し、議会の正常化に向け全力を挙げていきます。

  50人の議員一人ひとりがその能力を発揮することで、区民全体に奉仕する固有の役割を果たすことができます。この異常事態は、必ず正されるときが来ます。日本共産党区議団は、保育園の待機児童、特養ホームの待機者、75歳以上の医療費など三つのゼロ。青年の雇用確保、高齢者の住宅確保、お産難民解消など、三つの安心の公約実現と、被災者支援と復興に全力を尽くします。

  東日本大震災で、日本社会は劇的に変わりました。法律優先で、人間を使いつぶすようなことはもう許されなくなり、人間一人ひとりが本当に大切な存在であるという、当たり前のことが当たり前に語られるようになりました。区長選挙のときに、青年会議所主催の社会保障について質問があった際に、生活保護について候補者に聞かれたということでした。松原区長はどのように答えられたのでしょうか、お答えください。

○松原区長 生活保護については、やはり最低保障のものと私は理解しております。人間が生きていくための、最低のものであると。

○金子委員 大田区の生活保護は、22年度3月31日現在で、1万1,997世帯、1万5,323人で、22.7パーミルとなりました。今の区民の生活困難の状況は、今後ますます厳しくなるものと思われます。

  また、地方自治体のあり方を根本から見直すことをこの大田区と区議会に求めています。国難と言うべきこの時期に、力を合わせて被災者支援と復興に議会こそ率先して取り組むべきときに、正副委員長選挙で区民の願いに背けることをしたのは、議会の自殺行為ということを申し上げておきます。

  この連合審査会は、第1次補正予算を審議する議会です。東日本大震災や原発事故を受けて、大田区の防災対策を見直すことが必要です。区長はあいさつで、今後の大田区全体の防災のあり方について、国・東京都と連携をとりながらハード面・ソフト面の点検と見直しを行ってまいったと述べていますが、支持町にならず区から発信・提案することが必要です。災害対策を区民の皆様を含めて再検討するというのは、これこそ区行政にかけていたものですから、区民の声に真摯に耳を傾けていくことを要望します。

  地域の方を訪問していたときに、あの東京大空襲のときも西六郷の避難場所は多摩川河川敷だったそうです。この空襲にあった高齢の女性は、父親から空襲のようなときは危ないから河川敷には行かないようにと、かねてから言われていたそうでした。多摩川河川敷は、戦前から火災や地震のときの避難場所であり、戦後もそのまま広域避難場所だったというので驚いたのですが、区民の声をよく聞くことは大事なことです。しかし、この補正予算の規模は7億7,900万円です。大震災を経験している大田区の補正予算としてはいかにも規模が小さく、大田区の中小企業が大きな影響を受けているのに、支援規模は小さいと言わざるを得ません。大田区に放射能測定の計器がないこと、少なくとも18特別出張所に1台はあってもよいのではないでしょうか。また、小中学校の校庭や保育園、私立幼稚園の園庭の土壌調査を行うことなどが、この補正予算に組まれるべきでした。

  高齢者住宅改修相談事業、高齢者火災警報器給付事業などは復活させるべきであり、家具転倒防止取りつけ給付事業は、今年度予算で800件になっています。前年度は1,000件でした。今回の震災で、高層マンションで家具転倒で大変だったという事例が多いことから、規模も大きくしていくことです。家具が倒れなければ、家が守られて避難しなくても大丈夫ということになります。まず、高齢者火災警報器給付事業は、もう義務づけられたのでつけないということが、前回の議会での答弁でしたけれども、こういうときこそ復活をすべきではないでしょうか。急いでやるべきです。また、家具転倒防止金具取りつけ給付事業は、非課税者から課税者に拡大をされていますが、もう荒川区のように、全世帯に取りつけをするよう充実すべきです。お答えください。

○伊藤高齢福祉担当部長 火災警報器の設置についてでございます。消防法の改正に伴いまして、平成22年3月末までに各自が設置することと義務づけられているものでございます。設置の事業は、火災発生時における行動がより困難な高齢者や、障害者世帯で住民税非課税世帯の方に対して期限を定めて、平成21年度事業として行ったものでございます。火災警報器の設置につきましては、基本的には区民の方のご自身の負担で設置いただくものと考えてございます。

○宇佐見防災・危機管理担当部長 私のほうからは、家具転倒防止金具取りつけ事業の充実についてということでお答えいたします。ひとり暮らし高齢者、障害者世帯で非課税世帯、今までこういう方に寄附をしてまいりましたが、今年度から特別区民税課税所得80万円までの世帯に対して支給対象を拡充いたしました。今回の拡充で、対象世帯は約1万6,000世帯増えたと認識しております。

○金子委員 1万6,000世帯に増えたということですけれども、この事業は大変区民から喜ばれるにもかかわらず、なかなか知られないと。私たち区議団がそれぞれ申込用紙を持って、どうですかとお話をして、それは知りませんでしたということをたくさんの方からお聞きしていますので、これは周知には、ぜひ声をかけていただきたいと思います。それと、やはり全世帯に取りつけるということをやるべきではないかと。そこのところもこういう時期ですし、幾つかの地震が続けて起こる年というのがあるのですね。1年ごとに大きな地震が三陸沖から東南海地震と移っていく、そういうところで大田区が大きい地震に巻き込まれていく可能性がありますので、これはぜひとも続けて、拡大をするという方向で検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○宇佐見防災・危機管理担当部長 まずもって、この事業については、やはり事業ということを基本に沿いたいと思っております。その枠におさまりきれない方に対しては、私どもで援助していく、こういうスタンスでございますし、また今回、拡充をしたということでありますので、その推移を見ていきたいと思っております。

○金子委員 区民全部のところにつけるとなりましたら、区民の方々の受けとめ方というのは大変違うと思うのですね。今のお答えですと、できる人はそれはもちろんすぐにつけますし、大丈夫ということになりますけれども、区がつけてくれるというときには、全部ではなくてもいいのだという話でした。例えば、1個か2個を区がつけられると、その後、後押しをするということなのだそうです。ですから、ぜひ、それは考えていただきたいと思います。

  それから、先ほどの高齢者火災警報器給付事業についてです。これは始まったのでというのは、先ほども申し上げたとおりですけれども、例えば、私のうちはつけましたよというお声を聞くことがあります。だけども、もしくはお隣の人がつけられなかったとして火事があったときに、そのつけたおうちの人があなたのところがつけなかったから、損害賠償を請求すると、これは裁判では負けることになっているのですよ。ですから、どこのうちにでも、やはりついていることが大事なのです。そう見ていく必要がありますので、これはぜひ、今後、検討していただきたいと思います。

  次に、防災計画についてお聞きします。明治以降に大田区近郊で発生した主な地震は、明治13年、1880年横浜地震、明治27年、1894年東京湾北部地震、大正12年、1923年関東大震災などです。首都直下型地震を想定した場合という副題で、昨年、区議会議員向けの講演会が防災と事前復興ということで行われていました。その30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる可能性の確率は70%あるそうです。この東京湾北部地震で、建物被害が85万棟に及び、死者は1万1,000人になっています。東海地震、東南海・南海地震では津波被害が想定されています。津波被害は、全体を再検討することです。この三陸沖などの地震では、影響は少ないということになっていましたが、この前の3月11日のあの地震では、津波・潮位が上がっています。それと安政の大地震というのもあるのですけれども、このとき被害が出ておりますので、専門家の力もかりて歴史的に検証しておくことが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

○宇佐見防災・危機管理担当部長 津波対策につきましては、国や都と一体になった対応が必要となります。被害想定、国の防災基本計画との地域防災計画、こういったものの見直しがあると聞いておりますので、今後の動向を踏まえて大田区地域防災計画の修正を行ってまいりたいと思います。

  また、東京湾に津波があったかどうかということについては、いろいろなご意見があることを承知しておりますので、それについてもよく勉強していきたいと思っております。

○金子委員 そこで、その広域避難場所の見直しは急務だと思うのです。今、地震の状況をテレビでつぶさに見ていた人たちが、地震のときにより低い場所に逃げなさいというのは、もはや説得力はありません。多摩川河川敷や羽田空港用地などは外すべきですが、いかがでしょうか。

○宇佐見防災・危機管理担当部長 この広域避難場所というのは、火災から身を守るために逃げる場所と指定されているものです。関東大震災のときには、火災で多くの死者が出たことから、その火災から身を守るという観点から指定されたもので、阪神大震災が起こる前までは、防災の基本という考え方になっておりました。しかし、今回の津波で確かに低いところに逃げるのはどうかというご意見もあります。一つの避難場所というのであっても、いろいろな角度から検討しなくてはいけないということが、今回の地震でわかりましたので、それを踏まえて都と必要な調整をしてまいりたいと思っております。

○金子委員 大田区にある8カ所の水門のうち、今回、文化財調査の予算がついている六郷水門が、この八つのうち最も遅く閉められていますが、委託業者が渋滞に巻き込まれて、最終的には国土交通省の遠隔操作で閉められたということでした。今回、3月11日には津波警報も出されて、広報車も回ったということなのですね。回っているのに水門が閉まらない。これでは住民は安心できません。水門の扱いを、遠隔操作で大田区ができるようにするには何が問題なのか解決しておくことが必要ですが、いかがでしょうか。

○河野都市基盤施設担当部長 まず、六郷水門の操作状況ですけれども、平常時はゲートを全開にしておりまして、それで洪水時は水門管理者である国交省から操作の指示があります。操作する場合は、水門を利用する漁業関係者等の安全を確保するために、直接現地での目視による安全確認によって操作を行うことになっております。水門から見ては緊急の場合に、監視カメラ映像を使用しまして遠隔操作を行う場合もありますけれども、区のまちなみ維持課が受託している操作は、現地の安全確認が最優先であるため、遠隔操作はできません。しかしながら、水門操作は迅速で正確な操作が必要なことですから、このたびの災害を教訓としまして、水門操作の訓練の強化、操作手順の徹底等の改善策を実施したところです。

○金子委員 では、この前より少し状況は改善したということになるわけですが、停電になることも考えられるのですよね。停電になることもあって、しかもそこまでどうしてもいけないということはありそうだとは考えられることです。ぜひ、そこに行ってボタンを押すというだけではなくて、遠隔操作もできるということをやっていただきたいと思います。

  それから、福島から区民住宅に避難している世帯は、はじめは半年と言われてきましたが、最長1年はいられることになりました。37世帯138名の方が住んでおられます。しかし、三宅島から避難した方の例からも、3年以上かかっており、原発の工程表も変えられる可能性があります。安心して今後、考えられるようにめどがつくまではいられるとすべきです。どうでしょうか、お答えください。

○太田まちづくり推進部長 現在、東北地方からの避難世帯につきましては、区民住宅とプラム蒲田を提供してございます。早い方では3月から入居していただいておりますが、現時点では最長1年と心づもりしていただくようにお話してございます。

○金子委員 今の原発の収束状況はそんなに早くは終わらないような状況ですし、その点では私も西六郷にプラムハイツがありますのでお話を伺ったところ、この見えないものに終われて、ふるさとを捨ててきたという人たち、帰ることもできない。うちも建てたばかりだったのに帰れないという人たちの話を聞いておりますと、本当に原子力発電が国策であったにしても、これはやはりこの人たちの無念さというのは、とても大変気の毒だと。この問題がなぜ重要かといいますと、私たちが次の被災者・被曝者になるかもしれないという点から考えていく必要があると思うのです。そこでぜひ、めどがつくまではいられるように改善していただきたいと思います。

  それから、東日本大震災の大変な被害を見てから、大田区は地震被害には液状化などについても不安の多い地域です。私が防災課に行きましたら、この液状化についての地図がありますかと言ってこられた区民の方がありました。それで、私も欲しいですと言って、ほかのマップをもらった後だったのですけれども、聞きましたところ、大田区はがけの下といいますか、中原街道から先はまだまだ安心なのだけども、こっち側はほとんど液状化の心配がある地域だと言われて驚いてしまいました。そういう状況からして、この阪神淡路大震災よりももっと大きい被害想定がされている、東京湾北部地震について備え、また東南海地震などの津波被害にも備える防災計画にすべきです。これは質問通告しておりませんでしたが、6万棟の耐震工事の必要な住宅の耐震化が必要だと思うのです。これには、やはり大田区が本気で取り組む計画にすることを要望したいと思うのですが。この6万棟、残っている耐震化についても当然、計画はあるものと思いましたが、どうでしょうか。

○杉村再開発担当部長 耐震化の助成については順次やっていくつもりでおりますし、いろいろ予算も計上しております。そのような考えでおります。

○金子委員 そこで、今回の選挙で大変、区民施設はどのようにあるべきなのかというところで、区の職員がどういう役割を果たしていくのかというこの点も幾つか今までもありましたが、この被災地では保育園や特養などが住民を守って救助活動も行っていた例がありました。大田区内においても、保育園・小中学校が園児や児童生徒を夜半まで保護者が来るまで職員が保護して頑張りました。待機児童や特養への待機者をなくすためにも、防災対策の複合施設として建てることを提案しますが、まず、今年5月段階の待機児童数を教えてほしいのですが、9ページも含めてお答えください。

○筒井こども家庭部長 待機率は、例の4月の集計でございますので、5月ではなくて今年の4月の待機児童数でございますけれども、396名でございます。いわゆる旧定義で計算いたしますと、790名ということでございます。今年の待機児数396名というのは、昨年4月の待機児数402名でございましたので、6名の減ということでございます。平成21年度・22年度の待機児解消対策を集中的な取り組みをいたしましたので、待機児の増加傾向には歯どめがかかったものと認識してございます。

○金子委員 しかし、この396名の方はどこにも行かれなかったという人たちです。保育園にぜひとも入れてもらいたいといって、以前は福祉事務所に直接行っていたわけですけれども、この福祉事務所で今いっぱいですから入れませんよと言われて、そうすると、うちの子どもは保育園に入れなかったと、要するに社会がこの子が生まれたことを喜んでいないのかと言うと、大げさのように思われるかもしれませんが、実際、受け取ったときには本当に真っ暗になったというのが事実ですから、あの時代にそうですので、今、この396名の方々は本当に大変だと思うのです。しかも、790名は認可保育園を希望しながら入れないでいるというわけですので、これはやはり大変大きな数だと、減ったのでと言われましたが、減っていないと、かえって増えてくると思うのですね。待機児童ゼロ計画を前倒しで行うように求めますが、いかがでしょうか。

○筒井こども家庭部長 保育所の待機児数396名、これは決して少ない数ではございませんので、引き続き総合的な施策を展開しながら待機児解消に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。

  また、計画の前倒しという意味では、これも既に平成21年度に待機児解消に向けた緊急   プラン、この中で認証保育所8施設を開設して行いましたけれども、これはおおた未来プラン10年の計画の前倒しで実施したものでございます。引き続き、待機児解消の対策を精力的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○金子委員 保育園・認証保育所でも同じ保育園だろうと考えていらっしゃるわけではないと思うのですが、この認証保育園、やはり条件が厳しい。そうなりますと、行っているお子さんの中には、保育園の保育士さんとの一人ひとりのかかわりですから、なかなか難しいこともあるようです。そういう意味からは、やはり一番いいのは認可保育園であるという立場で取り組んでいただきたいと思います。

  それから、今度の補正予算の中に区民住宅の空き室をグループ保育室にするというのがありましたが、この子どもたちに責任の持てる保育環境を保証するという上からは、望ましいことではありません。ですから、やはり認可保育園で待機児対策とすべきことを申し上げておきます。

  それで、これから建てるとすれば、災害に対応できる複合施設で保育園や特養ホームなどとも一緒に合宿をするというのが考えられるといいと思うのですが。例えば、今、六郷の複合施設のようなことは考えられないでしょうか。いかがですか。

○津村経営管理部長 施設の複合化を計画する際には、置き込む施設の区内における適正配置の問題で、あるいは計画地の容積率からそれぞれ今、委員ご指摘の特養の面積確保がどれくらいできるのかといったものも絡んできまして、それぞれの施設の適正規模を確保できるのかといったこともございます。いろいろとそのような問題がございまして、なかなか具体的な計画に結びつかないというのが状況でございますけれども、ただ、施設の複合化の意義も認められるということもございます。そういった点を踏まえて、今後も機会をとらえて具体的な案件の中で、施設の複合化については検討してまいりたいと考えておりますが。委員ご指摘の災害対応という部分につきましては、耐震性の向上、あるいは施設の防災計画を綿密に策定する中で、対応してまいりたいと考えております。

○金子委員 次に、特養ホームについてお聞きします。3月段階の待機者数は何人だったでしょうか。この前までは、たしか1,600人や1,400人いう数字だったように思うのですが、あまり変わりはないのでしょうか。

○伊藤高齢福祉担当部長 平成23年3月におけます特別養護老人ホーム優先入所第1次評価の結果をもとにいたしまして、いわゆる待機者数でございますが、1,556名となってございます。

○金子委員 この特養の待機者を減らすには、特養ホームの建設以外に方法はありませんが、この160床以上の計画見直しの検討は始めたのでしょうか。

○伊藤高齢福祉担当部長 待機者解消のためには施設建設ばかりではなくて、より必要な方が入所できる仕組みが必要と考えております。特養ホーム入所に関しましては、入所を希望する方の身体、認知症状、日常生活面や介護をする方々の状況などを考慮いたしまして、より必要性の高い方から優先的に入所する制度が必要と考えております。そのため今般、透明性の確保、公平性の向上、緊急性の反映をキーワードといたしまして、特別養護老人ホームの優先入所制度を改正したところでございます。

  また、お話の計画の見直しでございますが、入所希望者数の推移、居宅介護の状況、他の介護施設の整備状況などを総合的に勘案いたしまして、引き続き適切な整備数を検討してまいります。

○金子委員 これはまだまだ本当に、160床以上だということを他区の人に話をしましたらそんなに少ないのかと、大田区には特養を希望する人がそんなに少ないのかと言われてしまって、待機者はいっぱいいるのですと言いましたが、その計画と実態は合わないのだということも、ちょっと念頭に置いていただきたいと思います。

  この24年度までにできる144床の特養は全部個室で、入居費用が月々15万円を超えることも予想されます。要介護4から5と言えば寝たきりか、老老介護の人も多いことを考慮して、多床室と同じにすることも考えて補助すべきです。そうしなければ、金持ちでなければせっかくできても利用できず、ますます格差が広がることになりますが、どうでしょうか。

○伊藤高齢福祉担当部長 特別養護老人ホームの整備にあたりましては、高齢者の自立と尊厳を守るために、原則として個室化が望ましいと考えております。しかし、一方で待機者の解消、低所得者の介護の必要な高齢者などの課題にも対応する必要があると考えてございます。現在、既に低所得者の方々には、申請により居住費などの自己負担額が軽減されております。この制度は所得に応じた負担限度額までを自己負担し、残りの基準費用額との差額分は、介護保険から給付されるものでございます。

  また、生計困難者に対する利用者負担額軽減事業については、区の独自事業といたしまして平成21年7月より、利用者負担額の軽減率を拡大したところでございます。なお、多床室の整備につきましては、東京都はユニット型個室を基本としながらも、ユニット型への転換可能な整備などの条件をつけた上で、補助制度を開始しているところでございます。

○金子委員 この特養ホームについては、先ほどもいろいろな人がほかの介護施設をということを繰り返し言われていますけれども、ショートステイも含めて特養ホームがやはり高齢者介護のかなめになるということを、ぜひ考慮していただきたいと思います。

  最後に、命と健康を守る国民健康保険についてお聞きします。今議会に、国民健康保険料の限度額を引き上げる条例についての専決処分の承認が議題になっています。なぜ、専決処分にしたのでしょうか。年度末に臨時議会が国保に関連して開かれるのではと思っていたのですが、議会にかけなかった理由は何でしょうか。お答えください。

○佐藤区民部長 国民健康保険料の限度額については、国民健康保険法施行例にその上限が定められております。例年、国もこの政令の改正の公布を待って、議会に条例改正の提案をし、次年度の限度額を改正しているところでございます。23年度のこの保険料算定にあたりましては、昨年の12月の国の税制会報にも限度額の改定の内容が示されておりました。このため、23区の統一の保険料算定にあたりましては、限度額の改正を見込んでご審議をいただいたところでございます。

  今回、政令の公布が3月25日金曜日でございました。この後、土曜・日曜も入ってございます。4月1日に施行しなければならなかったことにより、地方自治法第179条第1項により専決処分を行ったものでございます。今回、同条第3項により、その承認を議会に求めておりますので、よろしくお願いいたします。

○金子委員 しかし、25日ならできないこともなかったと思います。この法の規定による専決処分は、議会が成立しないとき、法第113条ただし書きにおいて、なお会議を開くことができないとき、町村長が議会の議決すべき事件について、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、議会が議決すべき事件を議決しないときとなっており、先ほどの区民負担が相当に増えるところから考えますと、やはりこれは議会にかけるべきだったと、議会軽視ではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。

○佐藤区民部長 先ほど申し上げましたように、保険料の算定にあたりましては、条例・政令の改正も見込んでご審議をいただいてございます。そういった意味では、自主的な審議はそういうところでされているということでございます。

それから、先ほど申し上げたように、3月25日から4月1日の施行まで非常に期間が短かったということで専決処分いたしたものでございます。

○金子委員 その時間的なこともそうですけれども、今回、この国民健康保険料の値上げについて、大田区の対応は、他の区に比べて非常に悪質であると私は言われました。どのぐらいの値上げの幅になりそうだとか、区民に知らせるという。今回もそうですが、まだどのぐらいの値上げになりそうだというお知らせがありません。区民から一体幾らになるのか、いつ教えてくれるのかという声も出てきているのですが、このことは、国民健康保険料は今でも高いという点からは、やはり考えていく必要があります。22年5月現在の滞納世帯は3万7,211名、短期証が23年3月31日現在6,338世帯、資格証675世帯、一部負担軽減は5件、保険料の減免は42件となっています。区民のこういう状況に寄り添って減免を広げることを求めます。

また。この値上げ分を、所得によっては助成をすることも考えられますが、その点はいかがでしょうか。

○佐藤区民部長 まず先に、実際の保険料はどのぐらいになるのかという話だと思いますけども、大田区の国保加入者の23年度の保険料総額は、22年度の所得が確定し、それに基づいて個別の保険料算定を行って確定していくのです。今年度につきましては、実際に保険料の総額が確定するのは6月の末と予定してございます。

それから、助成という話でございましたけれども、23区統一の保険料の算定にあたりましては、一般財源を投入いたしまして加入者の急激な負担増にならないようにしております。大田区におきましても、21年度決算では65億円を一般会計から国保特別会計へ繰り入れてございます。国保加入者1人当たりにしますと、およそ3万4,000人に相当します。また22年度の最終補正でも、区からの法定内繰入金は77億円になったといいます。国保加入者の負担軽減のために、新たに、今、ご提案のように、一般財源からこの繰り入れを行うことは、他の医療保険加入者との負担の公平の観点からは慎重に検討するべきものと考えてございます。

また、国民健康保険料につきましては、昭和34年の制度発足当時から、23区統一の保険料を維持しております。これは23区の統一したつながりの深さを考慮し、加入者に負担をかけないようにするとの理由によるものでございます。

大田区が一般財源をさらに投入し、区独自に保険料の低減を図ることは、統一保険料方式を維持する観点からも、課題が非常に大きいと考えてございます。

○金子委員 もうそのことはほとんどお聞きしてきたので、そこまで長々とお答えいただくことはありませんでしたが、どうもありがとうございました。

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