生活保護基準を切り下げないで!


生活保護基準を切り下げる方針を安倍内閣が打ち出しました。区内から生活保護基準が他の制度に及ぼす影響や、低所得者に保護も受けられない状況に追い込むものと、日本共産党区議団は陳情を採択するよう主張しました。自民、公明、民主は不採択を主張し、保健福祉委員会では不採択となりました。
委員会での日本共産党区議団の討論です。

日本共産党区議団は
25第24号生活保護基準の引き下げを実施しないことを求める意見書提出に関する陳情
25第25号生活保護基準の引き下げはしないことなど国に意見書提出を求める陳情
は、採択を求めます。
 安倍内閣が狙う生活保護費削減が受給者の生活を直撃するだけでなく、就学援助や最低賃金など国民の暮らしを支えるさまざまな制度に深刻な影響を与えます。安倍内閣は「出来る限り影響が出ないようにする」といい始めましたが、具体的な手立てはありません。住民税非課税については2014年度以降の「税制改正で対応」と結論を先延ばしです。就学援助についても「打ち切りはしないように」と区市町村に要請するものの判断は自治体任せで財政措置をとらない限り実行は不可能です。
厚生労働大臣は生活保護基準改定の理由を2つ挙げていること、一つは「物価を反映する、このところ物価が下がっている」と言っていますが、安倍内閣は2%の物価を上げるといっているので下げる理由になりません。もう一つが「基準のゆがみを正す」というもので、厚生労働相が生活保護世帯と一般の低所得世帯の生活費を比較した基準部会の報告で夫婦と子ども2人の世帯が生活保護世帯より低いという結果ですが、受給の多数を占める60歳以上の支給額は一般世帯の生活費より少ないのです。これもまた理由にはなりませんし、個人個人の暮らしぶり消費実態は、地域でも、年齢でも違います。同じ基準部会の資料に23区に居住する一人暮らしの若者の最低生活費(1か月分、社会保険料、医療費は除く)切り詰めるだけ切り詰めた生活で1ヶ月16万1000円、つつましいながらも人前に出て恥ずかしくない社会生活を送ると21万1000円という基準部会のメンバーが算定した数字があります。ちなみに生活保護基準は13万8339円です。
国民生活の最低生活ラインの目安の大本である保護基準の引き下げは日本を貧困底なし社会にしてしまいます。貧困に苦しむ国民に手を差し伸べない国に未来はありません。
国は社会保障の改悪はやめ、国民の暮らしと権利を守る「安全網」の強化と充実を諮ることこそ求められています。生活できる年金にすること、無年金者をなくすこと、人間らしく働ける労働条件と雇用を守ること、デフレ脱却といいながら、物価をあげて、増税するなど許されません。大田区議会として本陳情を採択し、意見書を提出することです。

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