西六郷小学校開設記念祝賀会にあたって
日本共産党大田区議会議員 金子悦子
地域の中でも、西六郷小学校は私にとっては、特別の学校です。昭和30年代のラジオから聞こえる「みんなのうた」の西六郷少年合唱団の歌声は、自分と同じ世代の小学生が歌っている、すごいなあ、とただ尊敬していました。私は、鹿児島の末吉町(宮崎県都城市のとなりまち)で生まれ育って、鹿児島の看護学校を卒業し、看護師として大田区大森東の病院で働くようになりました。
西六郷小学校を強く意識したのは、大田区で開かれる日本母親大会のオープニングで、西六郷少年少女合唱団に出てもらえるかもしれない、という話が出たときでした。実現せず残念でしたが、もう30年以上も前のことです。
丸茂勇夫さんの後継者として、六郷地域から区議会議員に、と要請されたのは1994年のことです。当選後に、地域の小中学校を順繰りに入学式・卒業式に出席させていただきました。西六郷小学校からは、定期コンサートのお知らせをいただくようになり、ありがたく出席していますが、遠くから来られるかたがあったり、ご近所の方だなという人が多かったり、地域の人に支えられていることをいつも実感しています。
先日、運動会に参加して、途中でどうしても抜けなければいけないので、終りの頃の演目は、何を見たらよいでしょう、と校長先生にお聞きしたところ、「それは組み体操です」ということでしたので、その時間にまた戻ってきました。きびきびと、男子も女子も3人の種目から10人までと、小さいものから大きいものまで、丁寧にパフォーマンスが作られて行きました。すると、なぜかわかりませんが、涙が出てくるのです。子どもたちの成長を間近で見てきた人たちには、私などよりずっといろいろな感慨があって感激されるだろうな、と思いました。終わりに、指導された先生方に「ありがとうございました」と子どもたちの挨拶があって、またジンときました。
組み体操は、「自分を信じる、他の人も信じる」ということがなければ、とても難しい競技だと思います。体の大きい人は下で支える、小さい人は上に乗ってバランスを取るので成り立ちます。私の世代は、男の子だけがやるものでした。時代の変化と、友情の体感のしかたも変わると教えられました。
子どもの時代を丁寧に生きられるように、学校の持つはたらきは無限大です。保護者の方、先生方とよい学校を一緒に作り上げたいものです。