57回日本母親大会


ノーモアヒロシマ ノーモアフクシマ(第57回日本母親大会)

金子悦子

7月30日、31日に日本母親大会は、「世界の母親・女性が手をつなぎ、核戦争から子どもを守りましょう」と1955年に始まった母親運動の原点の地広島で開かれました。挨拶を聞いて、広島は、地震と津波・福島原発の事故を経て、変わり始めた人と日本社会を考えるのに、もっともふさわしい地域だと思いました。記念公演は湯浅誠さんで、「貧困なくし人間らしく生きられる社会をつくる」というテーマでした。社会のさまざまな歪みの中で、生まれた新しい言葉、就活・婚活(そういえば保活というのも聞きましたが)、ぼーっと生きていてはいけないよ、生活するには活動しなくては、という内容で身につまされました。社会にはないものが多いが、なければ作ることだ、というものでした。制度に人間を合わせるのではなく、人間に合わせて制度をつくることが必要で、今はそれができる時代ではないでしょうか。

クミコさんの「INORI~祈り~」も感動しました。ちなみにオレンジ色のドレスでしたが、紅白のとき着て、石巻で地震と津波にコンサートの準備中に流されてしまったそうで、その後新調したドレスでした。レスキュー隊の制服がオレンジ色ですという話で、歌とともにお話もすてきでした。

被爆後15年たって生まれたフミキ君が、白血病で亡くなったのですが、世界のあちこちで生まれた被爆者の子どもたちと話し合う「つなごう生命を未来へ」の企画が、今どきに新鮮でした。

31日の分科会は、シンポジウム「どうなる?どうする?揺らぐ日本の食」に参加しました。農業者、漁業者、農民連、日本大学の野口邦和さんが参加されるというので、300人を超える超人気の取り組みでしたが、宮城の漁業者の方が体調を崩されたということで、残念でしたが、被災された方は大変だと改めて思いました。TPPが何をもたらすのか。国民の食料だけではなく、国民の働き方にも重大な影響があること、大震災・原発事故からの復興の時期にやることではないこと。特に野口さんにはいろいろな放射能に関する質問が殺到しました。質問の中に、全頭検査を行うというが、検査にお金がかかることや一体牛の尿検査はどうするのか、というのがありました。野口さんは、大規模の肉用牛の牧場は、おなじものを食べているので、生きているうちに数頭導尿で検査すればよい、牛の表面をガイガーカウンターで検査するのは何の意味もない、出荷前3か月ほど安全な餌を食べていれば、たとえその前に汚染した餌を食べていてもセシウムは排出されること、検査料は東電が払うべきであること。また、野菜などは心配ないのだが、不安がぬぐえなければよく洗う、ゆでるで除染される、玄米などはぬかに溜まるので5年くらいは白米を食べればよい、魚の骨にストロンチウムが溜まるので骨はよけるなどの話がされました。農民連が東電交渉をした時には、稲わらの汚染については、東電は関係ないといったということで、会場から怒りの声が上がりました。

早朝に比治山に行ったところ、旧ABCC(現放射線影響研究所)に行きついてびっくりしました。8月5日、6日にはオープンハウス2011をやるそうです。公園にはいろいろな碑がありましたが、広島市医師会の合掌したモニュメントを見つけました。

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