教育委員会の変質に反対!給食費無料化に賛成!


6月22日、第2回定例会最終日に子ども文教委員会にかかった条例に反対・給食費の無料化条例に賛成の討論を行いました。

議場での討論全文です。

私は、日本共産党区議団を代表して、ただいま上程されました第75号議案、第76号議案に反対し、議員提出第7号議案に賛成する討論を行います。

第75号議案大田区教育委員会の組織に関する条例の一部を改正する条例、第76号議案 大田区教育委員会教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正によるものです。

教育委員会は、戦後の行政改革の中で生まれた行政委員会制度による組織です。教育や警察、選挙など中立を保障するために、与党が支配することが望ましくない分野などに行政委員会が設けられ、教育委員会、公安委員会、選挙管理委員会が作られました。教育委員会は、首長がことを決するのではなく、一定の手続きをへて選出された複数の非常勤を中心とする委員たちが合議してことを決する仕組みで、合議制執行機関と呼ばれます。教育行政を行政委員会としたのは、戦前の教育の反省から、教育の自主性を尊重し、教育内容への政治介入を避けるためでした。

教育委員長と教育長が統合されることは、一般職であった教育長が特別職となり、その「新教育長」は首長の意向で決められる体制をつくろうというものでしたが、国会質疑の中で、首長が「教育大綱」を定めるとき、調整がつかない事項を記載した場合は、権限のある教育委員会が執行しない事項を記載することになり、意味がないとしています。教育長も、教育委員も、調整していない事項には意を用いなくてもよいとしています。また、教育委員会の職務権限はすべて、首長が勝手に大綱に書くことは適切でないこと、首長が、教育委員会と協議すべきでない事項に、教科書採択や教職員人事などが挙げられています。新教育長への歯止めも決められていて、チェック機能の強化が必要であること、教育長は教育委員会の構成員でもあって、合議体の意思決定に基づき事務を執行する立場であり、合議体の意思決定に反する事務執行を行うことができないこと、教育長は、教育委員会からの勧告に従う義務があることを、文部科学大臣や局長が、本会議や文教科学委員会などで答えた内容です。

また、教育委員会制度発足の「3つの原点」である教育の地方分権、一般行政からの独立、非常勤であるけれども日々の教育行政に責任を負う教育委員の所謂レイマンコントロールなどは基本的に今日でも守るべきものであることが確認されています。

しかし、今回の法改正は、最高意思決定機関は、教育委員会であるという枠組みは変えられませんでしたが、首長の介入のしくみを取りいれる重大な制度変更であり、許せません。よって反対です。

教育長はじめ教育委員の方々が、憲法と教育基本法、子どもの権利条約の精神に立って、地域住民や学校現場の多様な教育要求を施策に反映させ、教育の自主性を大切にする機関として、その役割を発揮していただくことを要望します。

議員提出7号議案については、保護者の負担を軽減し、子どもの健全な育成に資するものとして、賛成します。低学年では月額3860円×11か月分では年額42,460円、中学生では月額5,018円、年額で55,198円であり、報告では滞納はごく一部ということでしたが、子育て世代の負担になっていることは疑いないことです。学校に納入する教材費からみると、特別な出費を除き、費用の最も大きいものが給食費です。消費税の増税とも相まって、父母が負担する食材費の値上げもあり、安いものではありません。教職員の事務量を減らすことにもなり、子どもに向き合う時間を確保できます。この給食費無料化は、憲法の義務教育は無償とする理念を活かすことになります。

委員の討論で、区立小中学校の子どもだけに支援するのは不公平である、給食の材料にお金がかかるということもありましたが、子どもの教育に係る経費は、何をおいても、第1義的に確保すべきものです。共産党区議団は賛成です。

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