介護保険が大きく変わります


地域包括ケアシステムって何ですか?介護保険を根本から変えるもので、要支援12のサービスを介護保険から、区の事業に移行します。移行されたら、どうなるのか。ボランティアや町会・自治会などが支援するというのです。シルバー人材センターではそのために研修など行うようです。今まで資格を取らせるために区としてもヘルパー養成講座などを有料で行ってきました。20時間程度の短い研修になります。無資格の人がやるのか、という批判を避けたいようです。在宅サービスセンター、いこいの家などを期限付きの目的ありサービスを受けるように変えること。ケアマネジャーさんは事業所に複数いて、そのうちの1人が主任の資格を取ること、移行措置の間に資格を取らなければ、事業所が存続できないことも大変大きな変化です。地域の介護支援事業所の業務内容が大きく変わり、今まで以上に規制緩和になりますし、高齢者や発達障害の子ども、障害者の介護も行うというように大幅に間口が広がります。そんなに簡単なものか、とは思えません。施設や病院から追い出す、その先は在宅で、一緒くたにして介護支援サービスを受けてくださいというのです。介護医療院という常勤医師が1人しかいなくてもよい新しい医療形態も出現します。介護から予算を引き上げるとんでもない後退です。介護保険料の大幅値上げも同時に行います。全部を一括して提案されたので、討論もまとめて行いました。

日本共産党区議団を代表して、第20号議案 大田区老人いこいの家条例の一部を改正する条例、第21号議案 大田区指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準を定める条例、第23号議案 大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例、第24号議案 大田区指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備、運営等及び指定地域密着型介護予防サービスに係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準を定める条例の一部を改正する条例、第25号議案 大田区指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準等に関する条例の一部を改正する条例、第39号議案 大田区介護保険条例の一部を改正する条例、第40号議案 大田区指定地域密着型サービスの事業の人員、設備、運営等に関する基準を定める条例の一部を改正する条例について、反対の討論を行います。今回の条例提案は、すべて「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法などの一部を改正する法律案」が、医療・介護の一括法で審議され、野党の反対を押し切って自民・公明などが可決したことによる改正です。高齢化の進展により、疾病構造の変化を通じ、必要とされる医療の内容は、「病院完結型」から、地域全体で治し、支える「地域完結型」に変わらざるを得ない、という理由をつけて、高齢者から医療・介護を取り上げ、病院や施設から地域に追い出して、地域の助け合いにゆだねるという方向に進めていこうとしています。その準備も含めて、介護サービス供給体制が大幅に変わります。

はじめに、第21号、第23号、第24号、第25号、第40号議案は、地域包括ケアシステムの強化に伴うものです。第21号議案はケアプランを立てる指定居宅介護支援事業所の管理者を、居宅介護支援専門員から主任居宅介護支援専門員にすることとし、ケアマネジャーが新たな資格を3年以内に獲得しなければ、居宅介護支援事業所を存続できないことになります。医療と介護の一体改革を反映して、医療機関、介護医療院や特定相談支援事業者へ連携をすることや、通常のケアプランより訪問介護サービスの多い場合には、その妥当性をケアプランに記載して区に届けることを義務付け、給付制限や利用抑制を図ろうとしています。23号、24号、25号、40号議案は介護保険サービスの提供施設の基準を緩和することを主な改正理由にしています。大田区立高齢者在宅サービスセンターで、要支援12の通所介護サービスを第1号事業として、期限付きの自立目的支援を行うもので、介護保険外しを行うものです。身体的拘束の適正化のために委員会を設けることや、適正化の方針を整備すること、介護従業者に研修を義務付けていますが、身体的拘束等の適正化を図るための措置を講ずることは当然のことで、そのためには介護職員の配置基準を手厚くすること、処遇改善が求められます。また、高齢者、障害者、児童発達支援を行う事業所は、共生型地域密着型通所介護の指定を受けられるとしていますが、専門でない介護支援も行うことになり、給付削減と質の低下は免れません。看護小規模多機能型居宅介護サービス供給量の増加、効率化を図るために、基準を緩和するというのは、安全安心の介護とは相いれないものではないでしょうか。第39号議案は、第7期の介護保険料を決めるものですが、17段階の保険料が、基準額は第1期の月額3070円からほぼ2倍の6000円に上がり、すべての段階で上がっています。高い保険料を年金から天引きされて、利用する時には利用料を払わなければなりません。介護給付費準備基金は30億円あるのに、18億円しか使いませんでした。値上げしないために、もっと努力すべきです。保険料が上がれば、生活を圧迫するため、結果的に利用抑制につながります。保険料は値下げすべきです。

最後に、第20号議案の老人いこいの家条例は、羽田老人いこいの家を廃止するものです。高齢者の自主的民主的な原則無料の居場所をなくし、介護予防中心の体操などを行うシニアステーションに転換しようというもので、介護サービスをボランティア、NPO団体、町会・自治会等に委ねようという訳ですから、地域包括ケアシステムの強化で行われる改変です。地域包括支援センターの一部にあるシニアステーションは、いこいの家と同じではなく、別の機能を持つ施設であり、反対です。以上で討論とします。

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