カンボジア・タイ訪問記(1)


 

新築の校舎の前で記念撮影

新築の校舎の前で記念撮影

JHP(学校をつくる会)の呼びかけに応え、大田区議会は平和祈念コンサートの収益金・募金を、寄付してきました。8月28日に、今回2つ目の学校の贈呈式が行われるのに合わせ、大田区議会議員10名で訪問しました。小山内美江子さんが代表を務めているJHPは、区議会の贈呈校2つを含め300の学校を贈ってきました。

トロピアンコンプ小学校はスワイリエン州で、ベトナムとの国境に近い場所にありました。車が8時半過ぎに着いたところ、私たちを待ちかねたように、お坊さんの読経が始まりました。児童・生徒だけでなく、保護者(おばあさんたちも)も多く300人くらいはいるかな、とにぎにぎしいセレモニーになりました。私たちは、カンボジア風のテントが張られている中に、お客さん用に首にスカーフを(レイのように)巻いてくれて席に案内され、教育省の方、JHPの吉岡さん、高瀬区議会議長が挨拶しました。最後にこの学校を使う生徒さんがお礼の言葉を述べられました。高瀬議長が教育省の方から、感謝状を贈られました。その後、贈呈するために用意したノートやボールペンを手分けして、みんなで配布しました。記念撮影をするために呼びかけると、みんなが裸足で飛び出してきて、にぎやかに撮影しました。子どもたちの瞳が輝いていて、胸が熱くなりました。お母さんたちが、話をうなずきながら聞いていたのが、とても印象に残り、喜んでくれているのだな、と私もじんとしました。ほとんどの学校が2部制の授業だそうです。学校をつくると、先生の雇用も課題ですが、JHPはそこまで面倒を見ているということでした。

夕食をJHPの方2人としながら、懇談しましたが、学校の場所を決める際には、地域の方の意見も聞く、ということで、中にはその場所は処刑された所なのでやめてもらいたい、ということもあったそうです。200万人を殺したというポルポトの所業は、特別な場所でなければ見えません。見えない分、人々の傷は深いものであろうと思いました。

カンボジアは、気候は熱帯雨林のようで、8月は雨期でした。一番いい季節は5月ごろだそうです。バナナやヤシの木が家の周りに植えてあり、いつでも収穫できるそうで、豊かな大地です。田んぼは稲刈り時に乾かすということはせず、穂だけ、田植時のように水のある田んぼにバシャバシャと入って刈るようです。スズキのバイクが人気で、TVのCMでは、「渋滞の道路をバイクですいすい」とやっていました。ヘルメットをかぶらない人や、家族総出か?と乗っている人もあり、目を見張る光景でした。工場の行き帰りに、トラックの荷台に、ぎっしり人が乗って運ばれていました。これも驚いた光景です。復興に拍車がかかっている、活気ある風景でした。メコン川は海のような大河でした。フェリーで渡りましたが、今橋を建造中です。

前回のピームロー小学校も訪問し、記念植樹の木が大きくなり、学校が発展していることを確認しました。生徒の数に足りるようにノートやボールペンと、教職員の方にもハンカチを用意して、なかなかの気配りでした。

JHPが関わる児童養護施設(孤児院)も訪問しました。子どもたちの歓迎の踊りのあと、歌ったり、踊ったりと遊びました。とても楽しいひとときでした。私には、保育園の年長さん位の人が3人寄ってきて、歓迎してくれました。なぜかな?と思いましたが、多分白髪まじりのおばあちゃんとみて、親しみを感じてくれたのでしょう。子どもたちには、教育が何より大事と、その機会を保障していて奨学金をもらって、大学に行く子どももいるようになった、ということでした。子どもたちと歌を歌う時に、かねてカラオケで鍛えているらしい議員が、童謡を日本語で歌い、こどもたちがカンボジア語で歌う、という交流もできて、見直しました。

カンボジアとタイでそれぞれ大使に面会し、レクチュアも受ける機会を得ました。特にカンボジアの再生のために、明石さんを派遣したことについては、格別の評価がされているということで、憲法9条のある国の特別な役割だったかな、と思いました。

タイのアマタナコーンの工場アパートで、西居ファインプレス、NAMBUを視察しました。外国で操業するということは本当に大変そうです。

タイの王宮や涅槃像など合間に見ましたが、なかなかすごい見ものでした。どこでも、やはり微笑みの国で、ここちよい滞在でした。タイとカンボジアはお隣でこんなに違う、という話になりましたが、75年から79年のポルポト時代の事件は、筆舌に尽くしがたい禍根を残したものと思います。国民的な和解には、まだ時間がかかりそうです。私は、そのことを聞いてみたいと思っていましたが、とても聞ける状況ではありませんでした。

プノンペン空港の本屋では、かなりの本があの虐殺をテーマにしていました。2冊買ってきましたが、英字で「生き残って、息子よ」、「カンボジアの子どもたち、キリングフィールド・・サバイバーのメモリー」という本です。テーマだけで、胸が痛みます。この感想は、また別の機会に触れたいと思います。

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