2016年3定の総括質疑について


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9月28日に総括質疑を行いました。やまゆり園の事件について、区長から障がい当事者に声をかけてほしいと要請しましたが、区長は答えず、福祉部長が代わりに答え、残念でした。質問内容だけで、答弁は後程アップします。

日本共産党の金子悦子です。区議団を代表して総括質疑を行います。決算についての態度は代表質問で述べましたので、地方消費税交付金についてお聞きします。

消費税5%から8%への増税による歳入増について

2014年4月から8%への増税は、日本経済、特に中小企業と大きな影響をおよぼしています。消費税は所得の低い人ほど増税になる最悪の逆累進課税です。

2015年度は、消費税8%への増税で、1年を耐え、大企業応援のアベノミクスのもと、実質賃金のマイナス、年金の削減、社会保障の負担増、消費の落ち込みなど区民生活は、いっそう大変な厳しい状況です。ところが、大田区は地方消費税で8%のうち1.7%を受け取ることになりました。地方消費税交付金の収入済額は170億2037万円でした。歳入では特別区税、特別区交付金、国庫支出金についで4位になっている。2014年度と比較すると、71億円も増えています。この増税は区民に痛みを伴う重い負担となっている。地方消費税交付金の半分は社会保障費に充てられることになっています。ところが、一般会計の不用額は103億2961万円で、特に福祉費の33億円が大きい。代表質問に、区長は76億円の消費税交付金を、待機児童解消に向けた対策強化等、産みやすく育てやすい環境を整備するとともに、高齢者の在宅生活を支える24時間サービスの拡充等、地域包括ケア体制の構築といった社会保障に関する施策を積極的に進めてまいりました。これらの施策に取り組むために、地方消費税交付金のうち社会保障財源分については、社会福祉や社会保険、保健衛生といった、消費税法に規定する社会保障施策に要する経費の貴重な財源として充てている」という答弁でした。

Q1 まず、社会保障分の明細を明らかにしてください。

 

 

Q2 次に、そもそも社会保障とは何か。定義を答えてください。

 

 

2015年度予算は「選択と集中」という基本方針で編成され、2014年度より約81億円増にもかかわらず、区民のくらし・福祉よりも大型開発を重視し、羽田空港跡地の開発に8636万円、京急関連駅周辺のまちづくりに58億824万円余、新空港線「蒲蒲線」の整備促進事業として積立などに5億1925万円です。

京急蒲田西口駅前再開発は、「6割の住民が転出」させられ、再開発の仕組みを利用して、大手不動産企業が利益を上げるというものです。大型開発のための財源確保に多額の積立金を積み立てていることも問題です。2014年度当初80億円を積み立てた公共施設整備積立基金は、年度中55億円積み立てて、2015年度決算で266億円となりました。

学校や保育園、児童館、特別出張所などの改築改修をもっとスピードを上げた計画と前倒しで実施する必要があります。2015年度の区債発行は前年度比50%減でしたが、決算では減らした区債をさらに20億円減額補正しています。区債を発行しないで、基金はため込んだということになります。区長は、将来の需要に備えて、発行余力を十分蓄えるために区債を発行しないと答えています。

Q3 公共施設の建て替え方針が、複合化、大規模化、集約化となっているのは、大問題です。集約化され大規模化すると大手ゼネコンが関わることになり、区内事業者には仕事がまわらないことになります。今、余力があるわけですから、学校建設を1年に2校ずつとせず、3校行うなど前倒しで行うべきです。公共施設整備計画を見直すことです。お答えください。

 

産業経済費について

区内商工業の営業を支援する産業経済費は当初予算で34億9500万円余、補正で43億円に増額したものの、3億4千万円の不用額でした。消費税増税は大企業や大資産家には大もうけを保障しましたが、中小企業には重い負担増を押し付けるものでした。アベノミクス不況で、苦しんでいる中小企業・商店への支援は待ったなしです。新製品新技術支援事業は、産業振興協会に丸投げしてしまったので、所管の委員会にも報告があるけれども、予算上見えない。年に1回の産業振興協会の事業報告だけという状況です。景況はずっと最悪のG,Gとわかっているのに、思い切った手が打たれないのは、情けない話です。

 

Q4 何のために全数調査を行ったのか、当初の目的は何だったのでしょうか。

 

 

この不況の時代に大田区の地場産業である中小企業支援を抜本的に強めるために行ったのではありませんか。国・都の事業があるのでと、大田区が挙げた成長産業等設備投資特別支援助成事業や、モノづくり・商業・サービス新展開支援補助金などあげていますが、実際に区内企業はほとんど使えない状況です。区のものづくり経営革新緊急助成金事業は、大変大きな評価をされており、再度復活させるべきです。

 

Q5 調査を踏まえて、今までに有効性が確認されているものづくり経営革新緊急助成金事業をおこなうことです。

 

切り詰めている区民の暮らし・福祉

成人スポーツ教室、団体事業後援、喘息キャンプ等の事業からわずかな予算が削減され、伊豆高原学園が完成したことを理由に、区民保養所8カ所から4カ所に減らし、補助金も3000円から2000円に削減しました。

この間、高齢者・ひとり親家庭の住み替え家賃助成、小規模事業所検診、がん検診の有料化等4年間で100以上の事業が廃止・縮小されてきました。がん検診の有料化は、枠を広げたものの、だれでも、受けられる状況ではなくなり、区民の間に格差を新たに作り出していて、医療関係者から無料に戻してほしい、と要望されています。年齢の奇数年、偶数年でちがうものの、がん検診を受けようとすれば、最高8000円になる、有料化しなくてもよかったというのが、この決算から読み取れます。

Q6 削減した事業のうち、小規模事業所検診について、検証したことはあるでしょうか。

 

Q7 がん検診は無料に戻すべきです。

 

 

止まらない民営化、委託

行政が責任をもって行うべき管理・運営・業務を民営化や民間委託、指定管理者制度をすすめ、実際にサービス低下を引き起こしていることです。日本共産党区議団は、この間、一貫してアウトソーシングは非正規雇用の労働者を増やし、低賃金と不安定な働き方による離職率を高め、結果的に区民サービスの後退につながることを指摘してきました。

大田区職員定数基本計画は、ますます複雑化・高度化する自治体業務にもかかわらず、削減ありきの計画です。全体の奉仕者としての人材育成こそ求められています。2015年度の職員定数計画では46人の減でしたが、2015年4月時点では、業務委託・指定管理者制度導入による定数減は、52人ということになりました。

 

 

Q8 行政サービスはマンパワーです。民営化や委託により職員定数を削減する、大田区職員定数基本計画は見直すべきです。

 

保育園の待機児童問題

2014年度1000人の定員増の取り組みをしたのも関わらず、2015年4月入園の申込者は、4335人で第1次選考の結果、入園内定者は2657人、内定されなかった子どもは1678人でした。公表された待機児童の数を見て、大田区なら保育園に入れるかもと思って転居した人もいます。厚労省も、ようやくこの待機児童の定義を変えるようですが、日本共産党区議団は、いちいち旧定義では何人かと質疑をしてきました。この実態に合わない待機児童数を基に、区立保育園を民間委託しながら、当然区立保育園を作ってこなかったために、矛盾が爆発的に起きているのです。認可外保育所で、6か月の女児が亡くなる事件が大田区で起きています。

 

Q9 区立保育園をこれ以上民営化しないで、新規建設をすべきです。

 

 

Q10 認可保育園に入園出来なかった子どもはすべて待機児童であるという認識で対応しない限り、待機児解消はできません。待機児対策は認可保育園で対応すべきです。

 

介護保険について

新総合事業という名前で、要支援1・2の高齢者が介護保険給付から外されて認定も軽くなるように判定される事例があることを、代表質問でも明らかにしましたが、みなし指定できる経過措置を活用し、総合事業への円滑な移行をおこなう。専門的なサービスも従来通り提供しているとの答弁です。しかし、認定の現場では、要介護の高齢者が、判定が軽く出ているケースが少なくないことは由々しい事態です。今は軽度の要介護者が、重症化しない取組が必要です。

 

Q11 国の要請に沿って、介護保険給付から外し、ボランティアがサービスを15時間の講習でできるようにしようというのが、円滑な移行ということは、ですか。

 

要介護1・2の生活援助について

京都ヘルパー連絡会が行った要介護1・2の訪問介護の生活援助が保険給付から外された場合、私費で受けられる利用者は5%しかないこと、私費サービスが十分使えなければ8割以上の利用者の身体・精神状況が悪化すると予測される、と21日に調査結果を明らかにしました。212人の利用者からの聞き取りによるものですが、1割負担でも重い負担の高齢者は「すでに経済的理由で利用を手控えている例が多くみられる」「ヘルパーは生活援助を通じて利用者の生活全般を見ている。生活援助は単なる家事代行ではなく、命と生きがいを支えるもの」「生活援助が保険給付から外されると重症化が進む」として、見直しに反対すると、調査結果を厚労省老健局振興課に届けたということです。

 

Q12 要支援の方への専門のヘルパーさんの生活援助を確保すること、要介護1・2の高齢者を7期から介護保険給付から外す国の動向に、区も声を上げるべきです。

 

 

区民施設の更新などに関連する大田区内事業者の仕事確保について

区民施設建設にあたって、JVを組む際の区内事業者の仕事確保について、志茂田中学校関連の工事では150社の下請けのうち区内事業者が2%3社というのには驚きました。区内企業を優先的にする制限入札制があるとのことですが、施工体系図に基づいて、実際施工にあたった下請け企業を、報告させ、記録を残すことになっていますから、区は事後には把握しています。

 

Q13 下請けのうち区内事業者の割合を増やすために区としてできることはないのでしょうか。

 

 

 

Q14 相模原市の障がい者施設のやまゆり園で、元職員が19人の重度障害の人を殺害した事件は、大きな影響を区民にも与えています。障害当事者には特に大きな衝撃を及ぼしました。この事件について、作業所で働くまつやまひろしさんが「相模原で起きた障がい者殺傷事件は、とても怖く感じました。同じ人間なのに、いなくてもよいと考える人がいることはとても悲しいです。大田区長さんや区議会議員さんのみんなで一緒に、こうした事件が2度と起こらないように、世の中の人にアピールしてほしいです」と訴えています。

10月は障がい者福祉強調月間です。大田区は障がい者施策に、特別の努力を払ってきました。ぜひ、この要請に応えていただきたいと思います。全国手をつなぐ育成会連合会が、会長名で声明を発表していましたが、心を打たれる内容でした。大田区報に載れば、大田区のメッセージとして、当事者を励ますことになります。記者会見をすれば、一般紙にも報道されます。お答え下さい。

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