安心できる介護保険には程遠い(質問への答弁)


質問の要旨

新総合事業で要支援1・2のサービスをどう保障するのか。

 

答弁

要支援1・2のサービスについてのご質問ですが、地域支援事業においては、要介護状態となることを予防すること、要介護状態となった場合も、可能な限り、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することが目的とされています。

区の新総合事業においても、高齢者が可能な限り、住み慣れた地域で、引き続き日常生活を営むことができるよう、地域包括支援センターの最適なケアマネジメントにより、利用者の状況に応じて、専門的なサービスも含め、.多様なサービスを提供してまいります。

金子議員

質問の要旨

特養入所資格を要介護3以上にすると、入所を待つ52万人のうち3人に1人が「待機者」にさえなれない。区においても優先入所枠から外れ、要介護2で申し込みができないといわれた家族もいる。入所対象をもとの要介護1以上に戻すよう、区として(国に)意見をあげるべきです。

 

答弁

特別養護老人ホームの入所対象者に関するご質問ですが、平成27年4月の介護保険法改正により、特別養護老人ホームの新規入所は、原則として要介護3以上の方が対象となりました。中重度の要介護者の生活を支援する施設としての機能を重視したものです。ただし、要介護1・2の方でも本人や介護者の状況等、やむを得ない事由がある場合は、特例的に入所対象になります。

一方、区では、従前から、必要度の高い方から優先的に入所できる仕組みを設けております。そのため、要介護1・2の方を含めて、申し込みをされたすべての方に対し、入所の必要性の評価を実施いたします。評価にあたっては、本人・介護者の心身の状態や、住まいの状況等を十分勘案することで、要介護度のみでなく、他の個別の事情等を適切に反映できる仕組みとしております。

なお、特別養護老人ホームの新規入所者における要介護1・2の方が占める割合を比較すると、法改正以前の平成26年度と法改正後の平成28年度では、同程度の割合となっております。したがって、議員お考えの内容を、区として国に働きかけることは考えておりません。

金子議員

質問の要旨

介護ヘルパーは高齢化社会を支える貴重な人材であり、その処遇の改善が必要である。区として、保育士と同様に個人に対して手当を給付する制度を創設することを検討しているか。

 

答弁

訪問介護員等の処遇改善についてのご質問ですが、介護職員の処遇改善の主な要件につきましては、職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること、資質向上のための研修を実施することなど、事業所としての体制・組織を確立することで、加算が受けられる制度になっております。

介護職員の処遇改善は、全国的に重要な課題であり、国が介護報酬など、介護保険制度における制度全体の設計の中で対応すべきものと考えております。区としては、介護職員の労働環境の整備こそが重要と考えており、今後とも事業所管理者等を対象とした研修の場を通じて支援してまいります。

 

金子議員

質問の要旨

高齢者と家族の安心と尊厳を保障するうえで、第7期の介護保険事業計画の重点課題は、(1)特養の抜本的増設、(2)低所得高齢者の住宅問題の解決、(3)地域での暮らしを支える多様な介護基盤の充実、(4)介護職員の処遇改善を行うべきです。お答えください。

 

答弁

第7期の介護保険事業計画についてのご質問ですが、平成30年度から3年間の第7期介護保険事業計画につきましては、策定に当たって、昨年度実施した高齢者等実態調査の結果や、地域ケア会議における議論のほか、計画策定上のガイドラインである国の基本指針を踏まえ、おおた未来プラン10年(後期)との整合性を図りながら進めてまいります。

第6期計画は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、地域包括ケアシステムの構築を進める出発点としましたが、第7期計画の策定に当たっては、今般厚生労働省から、計画策定に向けた基本指針が示され、「自立支援、介護予防・重度化防止の推進」、「医療・介護の連携の推進」などの基本的事項に即した方策を検討し、地域包括ケアシステムの更なる深化・推進を図っていく必要があるとされております。

区としては、第6期計画における、介護予防・日常生活支援総合事業、認知症施策の推進や介護サービス某盤の整備といった取組をさらに充実し、大田区における地域包括ケア体制の構築を進めてまいります。具体的な方策については、外部有識者による高齢者福祉計画・介護保険事業計画推進会議の中での              議論を深めながら、計画に盛り込んでまいります。

 

 

金子議員

質問の要旨

区分変更申請が、介護度が上がって見直しをされるのは当然のことですが、より軽度に出てしまって生活上困難な事例は、ひとり暮らしの場合など特に大変です。身体・生活実態に見合った要介護認定を行うよう求めます。お答えください。

答弁

要介護認定についてのご質問ですが、要介護認定は、介護サービスを必要とする方のいわゆる「介護の手間(量)」を審査判定するものです。       適正に要介護認定を行うことは、介護サービスを過不足なく提供することになり.要介護状態の高齢者等の自立支援を実現することになります。

区としては、日頃から、区の認定審査会の審査判定が、一律の基準に基づき、心身の状況等に則したバラツキのない公平な結果となるよう、認定審査会委員や認定調杏員への研修とともに、模擬審査を実施するなど、認定の適正化に努めています。具体的には、例えば、認定調査員に対する研修の中で、調査書における認知症の中核症状、周辺症状や日常生活自立度の調査方法について毎回丁寧に解説し、認知機能の低下に関する見落としがないように指導しております。こうした取り組みが、介護保険制度の持続可能性を高め、高齢者の尊厳を守ることにつながるものと認識しております。

金子議員

質問の要旨

東京都の民間事業者の土地取得への補助金がなくなりました。区立でも、また民間事業者が建設する場合も東京都に対して用地費補助を要請すべきです。民間事業者を支援するだけではなく、区としても国有地や都有地の活用も含めて、借地でももちろんのこと、特養を建設すべきです。お答えください。

 

答弁

特別養護老人ホームの整備についてのご質問ですが、区では、平成12年に介護保険制度がスタートしてからは、社会福祉法人による事業展開を積極的に支援してきました。介護保険事業計画に基づき昨年開所した3施設、今年開所した1施設とも、区の整備支援を受けた社会福祉法人が、国有地の活用を含め、独自の事業ノウハウを発揮しながら整備を進めたものでございます。

今後も、特別養護老人ホームの整備については、事業計画に基づき、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、社会福祉法人による効率的・効果的な整備を進めてまいります。なお、東京都に対する要望につきましては、特別区長会として、特別養護老人ホーム等の用地確保に対する補助制度について、既に、要望しております.

 

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