所得税法56条は憲法に反していないか?
金子悦子の款別質疑より
所得税法56条は、戦前の旧民法の流れをくむもので、日本国憲法の男女平等とは相いれないものです。最高裁判例では、憲法違反ではないとされていますが、どう読んでも、憲法にはなじまないものです。この56条を税法上からではなく、男女平等から問題にできないかと、総務費で質疑をしました。
所得税法56条は憲法に反していないか?
金子悦子の款別質疑より
所得税法56条は、戦前の旧民法の流れをくむもので、日本国憲法の男女平等とは相いれないものです。最高裁判例では、憲法違反ではないとされていますが、どう読んでも、憲法にはなじまないものです。この56条を税法上からではなく、男女平等から問題にできないかと、総務費で質疑をしました。
不妊症治療費助成について
(金子悦子の款別質疑より)
不妊治療を受けている人が増えている、と聞きましたが、実際多くなっています。東京都が助成をするようになっていますが、それだけではとても足りません。30代の不妊症も大変ですが、40代で出産する人も増えてきており、年齢に対応した援助が必要です。現在9区が助成をしています(来年2区は継続しないといっていますが)。大田区も上乗せで助成をするよう求めて質疑をしました。
請願陳情を不採択にした委員長報告について、討論しました。
陳情討論 2011年9月28日 金子悦子
私は、日本共産党区議団を代表して、ただいま上程されました、23第80号 区民のいのちを守るため安心してかかれる国保制度にすることを求める陳情、23第83号 国民健康保険料の減免措置の拡大、値下げに関する陳情、23第89号 所得税法56条廃止の意見書の提出を求める請願、 23第84号 育鵬社の歴史、公民教科書の採択を見直し再検討を要請する陳情、23第82号 大田区議の海外訪問を中止し、その費用を大震災の復興・救援にあてることを求める陳情を、不採択とした委員長報告について採択することを主張して、反対の討論を行います。
23第80号は、2年間の軽減措置の延長、恒常的な措置として負担増を抑えること、保険料の減免措置を拡大すること、区内の団体が国保料の改定に関しての説明を要望した場合に応じること、相談窓口を設置して個別の相談に応じること、18歳まで75歳以上の医療費の窓口負担の軽減を行うこと、保険料の負担増を抑えるため、大田区が都と国に対して必要な財源措置を求めることを求める陳情です。また、23第83号は、国民健康保険料の減免措置の拡大、値下げに関する陳情です。
今回の国民健康保険料値上げは、12万世帯のうち約4万人が経過措置の対象になっていますが、残りの世帯は、経過措置の対象になりませんでした。この間、85年から2011年まで15回も値上げしました。軽減措置をしても、まだまだ高い保険料であり、値下げを検討すべきなのです。大田区の国民健康保険料は、23区の統一保険料として提案されますが、各区の国保運営協議会に諮問し、各区議会で議決して決まるものです。払える保険料であることが何より重要であり、なんといっても国民健康保険は社会保障なのです。社会保障とは国と地方自治体で責任をもつということです。国庫負担率が1984年は49.8%の時は、1人当たりの保険料は平均39,020円でしたが、25%になった2007年は84,367円になり、国庫負担金が従来通りであれば、値上げは必要ありませんでした。国や都に対して財源措置を要請することも、必要です。区が一般会計から繰り入れているのは、社会保障としての国民健康保険にあっては、当然のことです。国保の減免措置も不十分であり、7世帯しか対象になっていません。会社都合で退職された失業者に、国保の軽減措置が取られましたが、22年度と今年度で4509人もあり、減免措置を拡大することは急務です。
区内の団体が申し入れた場合に説明会を、という要望には応えるべきです。
23第89号 は、地域経済の担い手として、日本経済の発展に貢献してきた中小業者の家族従業者の働き分が、所得税法56条により、「配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」こととされ、同じ仕事をしていて差別が生じる不公正な状態が戦後66年続いています。即刻廃止すべきこの不公正は、あきらかに個人の尊重をさだめた憲法第13条、法の下の平等を定めた第14条、両性の平等を定めた第24条にも反しています。すでに333自治体の議会が、全会一致で意見書を提出しています。国会でも、国務大臣が「所得税法第56条について、全般的に議論をして見直すのは意義がある」と答弁しています。家族従業者の賃金は経費が世界の流れです。
この請願の眼目は、「働いた分は認めてほしい」ということにあり、白色申告だからよい、青色申告だからよくないといっているわけではありません。議論の中で、家族従業者の86万円、50万円控除というのは間尺に合わない、これでは1人前の労働者として扱われないし、後継者ができないのはもっともであるという意見も出されました。必要経費にならないため、ベースアップをすることもできないという、これこそ、56条があるために強制されるのですから、廃止こそが合理的な選択です。この請願は採択して、モノづくりのまち大田区の中小企業、日本経済の宝である中小企業の家族従業者がいきいき働けるよう、意見書を提出して、議会が役割を果たすべきです。
23第84号は育鵬社の歴史、公民教科書の採択を見直し、再検討を要請する陳情です。
日本は過去に、台湾に対する植民地支配、朝鮮に対する植民地支配、中国に対する侵略戦争、そして東南アジアの国々を占領するなど、2000万人もの命を奪う大きな犠牲を生みました。
アジアの国の中で、このようにアジアの隣国に侵略戦争で攻め込んで、植民地にしたという歴史を持つ国は日本以外にはありません。
ところが育鵬社の教科書は、これらの侵略戦争を「自尊自衛」の戦争と描き出し、美化しています。
韓国併合についても「韓国の領土をロシアから守るために行った」と事実と違う記述をし、日本国憲法の制定はGHQに押し付けられたものとして否定しています。
また、エネルギー政策でも、福島原発事故が収束の目途もつかず、放射能汚染への不安も解決できない中、育鵬社は「原子力発電は原料となるウランをくり返し利用できる利点があり、重要なエネルギー源となる」と記述。原発の危険性を指摘し、「事故や放射能への不安から、原子力発電所の建設に対しては根強い反対運動がある」などとした他社の教科書とは大きな違いがあります。大田区教育委員会はこのような問題だらけの教科書を採択したのです。育鵬社版を採択したのは、東京23区では大田区だけ、全国でも582地区中13地区で約2%でした。過去の誤りに誠実に向き合い、その反省の上に平和と民主主義を理念とする憲法があることを学ぶことは、子どもが主権者として育つために不可欠です。
よって育鵬社の歴史、公民の教科書採択を見直し、再検討を要請する陳情は採択すべきです。
最後に、23第82号についてです。東日本大震災から6ヶ月がたちましたが、被災地では、9万人をこえる避難生活をされている被災者や、災害の爪あとが大きく残されています。また、自民・公明と民主による国保の値上げなど相次ぐ増税と負担増によって、区民生活はいっそう深刻になっています。
さらに、今年度、23区で海外視察は、予算化しても実施していない台東区を除けば3区で、その中で、すでに実施を決定しているのは大田区だけです。他の品川区(5年間中止)と目黒区(4年間中止)は検討中です。
今後、大田区では公共施設の老朽化により整備に多額の財政投入が予定されています。このようななか区議会議員が多額の公費を使って行なう海外視察については、「1人で勉強に行くのは大変だ」「海外に行った人と、いかない人は違う」「費用対効果が十分にある」という議論では、とても区民の理解が得られません。また、緊急に海外にいってまで視察する課題もありませんし、報告書の盗用問題も区民に説明がありません。大田区議の海外訪問を中止し、その費用を大震災の復興・救援にあてることを求める陳情を採択すべきです。以上で討論とします。
丸山選手の顕彰垂れ幕が区役所に
大田区が丸山選手の栄光を称え、区民栄誉賞を授与することになりました。女子サッカーが日本で、男子とは随分待遇が違うことも明らかになりました。小学校にあっても、中学校に女子サッカーの部活がないことも障害になるそうです。今回のWカップ優勝で、女子プロの待遇改善や身分保障などが前進するよう、区議会でも関与できるところには、区議団を挙げて取り組みます。
八月の平和行事
「平和のための戦争資料展」11日に行きました。毎年工夫した展示がされていますが、今年注目したものは、1人の戦争加害者の経歴を追って、写真の展示があったことです。少年が右翼になり、軍国青年として中国戦線に参加し、加害行為を行って、八路軍につかまり、中国の捕虜となって再生教育を受けたという人でした。子どもが殺人を何とも思わない軍鬼になる経過は、教育や体験を通じて、写真の表情からもわかるものでした。中国が捕虜に対して、人間再生のために払った努力もわかる内容でした。
戦時体制になる前に、それまで周到に準備される社会体制の強化は、生活の隅々に、寝ても覚めても勝つために、思想動員がされていくさまは、展示の中にも表れており、子どもの歌から、働き方まで、なるほどと思わされました。
戦争を阻止するためにも教育が本当に大事、というこの時に、大田区教育委員会が育鵬社の歴史・公民教科書を採択したのですから、歴史をさかさまに動かそうという、政府の意図が見え見えです。草の根保守が、役割を発揮したようで、区民に見えないところで育鵬社の教科書を採択するよう求める意見が組織されていたようでした。大日本帝国憲法が正しいとして、日本国憲法を否定し、この期に及んで原発は安全だという教科書を到底子どもに渡すことはできません。共産党区議団をはじめ、各区民団体が教育委員会に抗議しています。
ふたたび、日本を戦争する国にしない。これには、国民の過半数を超える人たちが声をあげる必要があります。真実を求め続けること、何が真実かを問い続けることは、戦争を止める確かな楔(くさび)になるのではないでしょうか。32回の戦争資料展は、また一段高い質の展示になった、と思います。
(8月10日から12日まで)
コンサート「未来(あした)があるさ」 国鉄のうたごえ
JR不採用事件へのご支援ありがとうございました!
JALの不当解雇許すな!東日本大震災被災者支援!の呼びかけのコンサートが、12日神奈川のかなっくホールで開かれました。どういう内容でおこなわれるのか知らないで、孫と一緒に参加して、こんなすごいものだったのか、と驚きました。分割民営化闘争から26年の歳月を戦いぬいて勝利和解を勝ち取ったこと、それでもJRに全員雇用とはならなかったが、旧国鉄職員と家族のうたごえは、長いたたかいをがんばりぬいた確信に満ちたものでした。運動がJAL闘争へつながっていく(JRからJALへ?)という、人間の強い意志を見たように思いました。狭い会場で、どちらかといえば、関係者が多かったようなコンサートで、もったいなかったな、もっと多くの人たちに聞いてもらったらよかったのに、と応援団の一人として残念に思いました。孫は学校の先生に会って、びっくりした、と言っていました。
ところで、歌う方々はお召替えに忙しく、見ている方が「あっちの方が忙しいみたいね」ということになりました。
15日は、区議会全員が実行委員会の「平和祈念コンサート」が開かれました。会場に来られた方が1165人で、仙台フィルの演奏は、聴衆の感動を呼んで、「久々の生オケに、感動した」という声もあり、よかったです!という声を出口で何人にもうかがい、いい顔で皆さんが出てこられたので、嬉しくなりました。
15日夜は、六郷9条の会で、チラシをまき署名行動を行いました。500枚のチラシはほとんど撒き、署名は17筆集まりました。私は、「原発と原爆は同じものです。しかも、よく似ています。それは、国民に真実が知らされないことで、あの戦争中に、原爆を投下する目的で米軍機が来たことを、政府は事前に掴んでいたのに知らせなかった。原発は安全だと国民をあざむいて導入し、いまでも国民に真実を知らせないでいる」ことを話しました。
平和の祭典では、盆踊りや式典などと同時に「原爆と人間展」が、多摩川河川敷で開かれました。区議会議員になりたての頃、「あの河川敷でも写真展を」と要求したことを思い出しました。昨年から花火の会場で展示するようになったのだそうで、言っておくものだ、と思いました。地味な企画ですが、平和の祭典の意義が伝わるようで、静かに関心を呼んでいました。
6月20日に大田区議会の議会運営委員会が、海外視察の要綱を廃止し、親善訪問・調査に名前を変えて、どこへでも行けるように、共産党区議団の反対を押し切って採決しました。まず、17日に幹事長会に出され、少数会派には、事務局から話もない中で、20日にはもう採決をするあわただしさです。海外視察についての会派への意向調査では、まだ意見の集約もされていないのです。「賛成だが、海外視察ではいけない」という公明などが行けるように、親善訪問・調査という名前にしたとしか、思えません。親善訪問・調査なら、議運ではなく、幹事長会の申し合わせだけで決められるのです。その後本会議で議員の派遣を決めますが、採決をするだけですから、反対少数と見くびっているのです。
傍聴には15名ほどの方が来られて見守りましたが、「議員の資質を高めるのにワールド的に関心を広げることが必要だ」「他がみんなやめても、大田区は国際都市としてポテンシャルがあるから意義があるのだ」と自民党が珍論を吐いていて、思わず失笑も出る状況でした。公明党は「親善訪問・調査に変えて何も問題はない」、民主党は「海外視察も親善訪問も同じで違いが新人議員にはわからない」と容認していました。委員会後に税金の無駄遣いだと与党議員に抗議した人もいて、自民・公明・民主の企ては、すっかり足元を見られてしまいました。
幹事長会は、議事録を取らず、傍聴もできないいわば密室の会議ですから、合意ができなければ、全会一致にならない案件は出せないとすべきです。共産党や少数会派を排除して、委員長・副委員長を決めるやり方を踏襲するもので、かさねがさね、民主主義を踏みにじる、議会の自殺行為といわなければなりません。
7月20日の幹事長会で、この取り決めに基づいて、アメリカ・セーラム市、北京市・朝陽区、その他都市(海外視察バ-ジョンか?)視察で、セーラム市には8名、北京市朝陽区には8名、その他都市親善訪問調査には9名がそれぞれ会派から推薦されて名簿が出てきました。自民14名、公明7名、民主3名、みんな1名で、合計25名です。その他都市では1人当たり80万円を予定しているようですから、要項を廃止したねらいはここだったのか、とはっきりしてきました。区議会議員の半数が海外に親善訪問調査で出かけるなど、今の政治状況からはとても許されないのではないでしょうか。それこそ、まっさきに自粛すべきことではないでしょうか。区民の皆さんと力を合わせて、実施を見送りにするよう、がんばります。(7月21日)金子悦子
あれれ?放射線の線量測定を大田区が機械を買って計測する陳情は採択されたのですよね?なんと、大田区議会は都市環境委員会で採択した陳情を、本会議で自民・公明が不採択にしました。
6月14日、都市環境委員会で、共産・ネット・民主など5人が採択を主張し、自民・公明4人は継続を主張して、採決することになり、賛成多数で採択されました。第1回臨時会と第2回定例会で、日本共産党区議団は大田区が計測機械を購入して、計測をし、区民に広く広報するよう求めてきました。それだけでなく、自前でもガイガーカウンターを購入し、専門家の指導を受けて、区内16箇所の放射線量を計測しました。結果は区議団のホームページに載せてあります。
大田区は、はじめ新宿区百人町の地上18メートルの東京都の委託研究所の結果でよし、大田区は機械を買って計測したりしない、という答弁でした。しかし、3箇所大田区が計測することになった(東工大の指導を受けて)、東京都が都内100箇所の線量測定を行うので、5箇所別に計測することになると、状況が変化していました。そういう中で、陳情が採択されたわけです。さらに、17日の午後7時過ぎに、大田区が小中学校、保育園、大規模公園など160箇所以上を機械も買って計測することを、議員にはFAXで知らせ、HPにも載せて発表しました。それなら、自民・公明も安心して賛成できるだろうとだれしも考えるところです。しかし、あれほどの大震災でも自公は変わらないと見えて、彼らは20日の本会議では、わざわざ討論を行って、それも賛成のような長い討論の末に反対というおかしな展開になりました。他の自治体でも同様の陳情や請願は出ているでしょう。大田区は計測を始めるのに、議会は後押しをせずに水をかける結果になりました。しかし、そういう状況になっても、今回実利は区民が獲得したということになります。せっかく始めるのですから、注意深く見守りましょう。どちらにしても、長期戦になります。
原発事故の避難者支援に関する要望書
東京電力(株)様
2011年6月8日
日本共産党大田区議団
3月11日に発生した東日本大地震と原発の爆発は未曾有の被害をもたらしました。東京電力福島第一原子力発電所の事故は、原発の危険性を国民の前に事実を持って明らかにしました。
現在の原発の技術は未完成で、極めて危険なものです。原発は莫大な放射性物質を抱えていますが、それをどんな事態がおきても閉じ込めておく完全な技術は存在しません。そして、ひとたび大量の放射性物質が放出されれば、被害は深刻かつ広範囲で、将来にわたっても影響を及ぼします。
事故以来、原発からの撤退を求める世論が急速に広がっています。
原発事故は1日も早い収束が望まれていますが、目途がつきません。最近の新たな情報に国民の不安は増すばかりです。
大田区には原発事故の被害にあった福島県の方が避難をしてきています。自分の家にいつになったら戻れるのか、見通しのつかない中で毎日を過ごしています。生活費は自己負担ということもあり、経済的にも厳しい状況です。
大田区やNPO団体などからさまざまな支援がありますが、日本共産党区議団は、東京電力(株)に対して、原発事故の避難者に当面の生活支援として緊急に下記のことを要望します。
記
1、 避難所での電気料金は無料にすること。
2、 避難者の今後の生活設計を立てるためにも、情報を正確に全て公開すること。
3、 自主避難者も含めて、すべての被災者を対象にして補償すること。
4、 原発から撤退すること。
以上